中小企業経営力強化資金とは?
起業して直面する壁の一つが資金調達です。資金調達の方法としては、自己資金、親族等からの出資、クラウドファウンディングなど様々ありますが、代表的な方法として金融機関からの創業融資があります。創業融資の中でも特におすすめなのが、日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」です。
特徴その1 金利が安い
一番の特徴として、低金利であることが挙げられます。同じ日本政策金融公庫の「新創業融資」は2.5%前後であるに対し、「中小企業経営力強化資金」の金利は1.25%程度と非常に低金利となっております。女性または30歳未満か55歳以上の方であれば、そこからさらに0.25%程度金利が安くなります。
金利は市場動向によって変動しますので、現時点の金利は日本政策金融公庫のHPでご確認ください。
※2016年4月追記
2016年4月に利率が若干上がりました。
平成28年4月13日現在で、基準利率が1.85%、特利Aが1.45%となり、
創業融資の場合は、基準利率が1.65%、特利Aが1.15%になっております。
(※特利Aは女性または30歳未満か55歳以上の方に適用)
※2017年4月追記
2017年4月に利率が上がっております。
平成28年4月12日現在では、1.76%~1.86%となっております。(特利A,Bという区分もなくなり、全て特利Sに統一されました。)
最新の金利は日本政策金融公庫のHPでご確認下さい。
特徴その2 無担保・無保証
融資額のうち、2,000万円までは担保や保証人が不要となっております。こちらも低金利と並んで大きなメリットといえます。
特徴その3 自己資金要件がない
多くの融資制度では借り入れに際して、自己資金を拠出することが求められますが、「中小企業経営力強化資金」では自己資金要件は不問となっており、自己資金がない方でも融資を受けられる可能性があります。ただし、融資審査の際には、自己資金があったほうが事業に対する本人の熱意や起業の計画性も伝わり、かつ資金ショートする可能性が抑えられると判断されるため、自己資金は多いほうが有利なのは確かです。
特徴その4 認定支援機関のフォローが必要
「中小企業経営力強化資金」を利用する際には、認定支援機関からのフォローを受ける必要があります。なお、認定支援機関(経営革新等支援機関)とは、国が認定した中小企業等への支援機関で、金融機関や税理士、公認会計士などが主な認定支援機関として認定されています。
特徴その5 創業計画書だけでなく、より緻密な事業計画書が必要
日本政策金融公庫の「新創業融資」では、創業計画書を提出すれば足りますが、「中小企業経営力強化資金」の場合には、創業計画書に加えて「事業計画書」の提出が必須となります。「事業計画書」はより精緻な計画である必要があるため、準備に時間を要するのが最大のデメリットです。
まとめ
起業家にとって非常に有利な「中小企業経営力強化資金」ですが、他の融資制度に比べてややハードルが高いのも事実です。「中小企業経営力強化資金」を申し込む際には、①認定支援機関の認定を受けた専門家、②事業計画書の作成に実績がある専門家に相談されることをおすすめいたします。
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