リスケをスムーズに進めるには?Part2(リスケ前の事前準備・注意点)

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経営コラム
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リスケをスムーズに進めるには?Part2(リスケ前の事前準備・注意点)

前回のリスケコラムでは、「経営改善計画書」の作成が重要という話をさせていただきました。

銀行員はリスケを嫌がるって本当?スムーズにリスケ交渉する方法

今回の記事ではリスケを実行するまでの事前準備すべき点と、リスケ交渉時の注意点について解説したいと思います。

 

事前準備すべきポイント

1.定期預金は解約する

担保に入っていない定期預金があれば、解約することをおすすめいたします。

リスケの話を持ち出してからだと定期解約は難しくなりますので、リスケの話をする前に定期解約した方が良いでしょう。

銀行から解約を拒まれた場合は、担保でない旨を強調し、かつ一時的な資金繰りに充てることを説明すれば、解約を拒否する権限は銀行にはないため、はっきりと主張することが重要です。

 

2.生命保険も基本的に解約する

倒産が目の前に迫っているときに、将来の保障などと言っている余裕はないことが多いでしょう。

何か特殊な事情がない限り、解約して解約返戻金を得るとともに、毎月の保険料という出血を抑えることが重要です。

 

3.全経費を見直す

仕入や人件費を含む全経費を一からベースで見直すことをおすすめいたします。

・本当に必要な経費か否か

・通信費や水道光熱費などは契約プランの見直しをすることで経費削減できないか

・昔からの家賃が据置になっていて、減額交渉できないか

・役員借入金が多く残っているにも関わらず、役員報酬が多いままになっていないか
→役員報酬を減らし、役員借入金を取り崩すことで、所得税・住民税・社会保険を削減できないか
(役員報酬の減額は銀行との「痛み分け」のアピール材料になります。)

 

4.支払いの優先順序を明確化する

支払いすべき優先順序は以下のとおりになります。

1.従業員の給料

2.仕入先への支払い

3.経費

4.税金・社会保険

5.銀行返済

仕入先への支払いや従業員給料を待ってもらって、銀行返済を優先させる方がいますが、取引先からの信用不安や従業員のモチベーション低下・退職など事業継続に影響を与える可能性があるため、おすすめしません。
優先すべきは、仕入・給料です。
税金や社会保険の支払いも、担当者と相談することによって分割支払いの余地があり、一時的な資金繰り対策には有効です。

 

リスケ交渉時の注意点

1.取引銀行の全行を平等に扱うことが重要

リスケの際に重要となるキーワードが「全行平等、公平性を保つ」です。

リスケは全行の同意を得ることが最重要です。そして各銀行はメインバンクの意向や他行の動きを気にしており、特に特定の銀行の抜け駆け行為を非常に嫌います。

特定の一行を優遇すると話がまとまらなくなり、リスケがいつまで経っても実行できなくなります。

「金利を上げてほしい」「追加担保を入れてほしい」などと要請されることもありますが、公平性の観点から基本的には堂々と断ってもらって良いでしょう。

(公平性はあくまでリスケ実行時以降においての話です。過去に決められた、各行異なる金利を横並びに修正したり、担保を調整する必要は全くありません。)

 

2.全行一律、1年間元本ゼロで交渉する

リスケ期間を3ヶ月や半年など短く区切ってしまうと、またすぐに再交渉を始まってしまい、経営者の負担が大きくなるため、経営改善にも時間を要することから、1年で区切ることをおすすめいたします。

1年間は長いと難色を示された場合は、契約上は半年としておいて、半年後に自動更新するなど、「実質的に1年間で」という含みで交渉を進めると良いでしょう。

また、先述のようにリスケ後は資金調達が難しくなるため、基本的には元本ゼロで交渉すべきです。

 

3.できれば認定支援機関と経営改善支援センターを挟んでリスケ申入する

当事務所のサービスページでも紹介しておりますが、経営改善計画書作成にかかる専門家費用の2/3の金額を国から補助してくれる制度があります。「経営改善支援センター」というところがその窓口になりますが、当該センターは各都道府県の商工会議所内などに設置されています。

経営改善支援センターを通じてリスケ交渉することで、国の機関が間接的には入っているというアピールになりますので(補足しますと、当該センターが直接的に銀行交渉等を行ったりはしません。あくまで経営改善計画書作成や銀行交渉サポートは認定支援機関と呼ばれる専門家が行います)、銀行側も無下にリスケを断ることはできなくなります。

 

4.場合によってはリスケではなく「経営改善サポート保証」の利用を検討する

信用保証協会の保証で、「経営改善サポート保証」というものがあります。

この保証を利用することにより、15年返済と毎月の返済負担が軽くなるだけでなく、正常先(銀行の格付)を維持できるため、新規融資も場合によっては可能となります。

リスケするほどではない場合は、この経営改善サポート保証を利用すると良いでしょう。

リスケして経営改善が軌道に乗った後の出口戦略としてもよく利用されます。

 

リスケすれば新規融資は難しくなる

リスケ中は新規の融資が難しくなります。ただし、「二度と貸してくれなくなる」わけではありません。

黒字転換し、返済を再開(「正常化」といいます)すれば、新規融資も可能になります。

ただし、正常化してすぐに借りることは難しく、1年ぐらいは様子を見たいという銀行が多いかと思います。

ですので、トータル2年くらいは新規融資なしの計画を立てる必要があります。

 

 

河野公認会計士・税理士事務所では、経営改善支援センターを通じたリスケ交渉を扱っております。
資金繰り・銀行交渉でお悩みのことがあれば、当事務所までお気軽にご相談下さい。


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河野 岳友
沖縄・大阪の融資・事業再生に力を入れている税理士です。日本政策金融公庫の創業融資には特に力を入れています。会計・税務だけでなく、資金調達や経営改善により「会社にお金が残る仕組みづくり」をお手伝いしております。また、クラウド会計やITを積極活用して、経理の効率化を推進しています。
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