民間の金融機関には、メガバンク(都市銀行)、地方銀行、信用金庫など様々な種類があります。「どこの金融機関とお付き合いをしたら良いのか」という相談も受けますが、弊所では特に年商5億円以下の中小企業には地域金融機関(第二地方銀行、信用金庫、信用組合など)との付き合いをおすすめしております。その理由を解説いたします。
メガバンクは少額の融資に消極的
まず、メガバンクは少額の融資に消極的です。
その理由は以下のとおりです。
①銀行員の成績につながらない
銀行員は銀行内で厳しい出世競争に晒されています。中でも融資実行額の多寡は銀行員の評価に大きく関わります。特に資金力のあるメガバンクの銀行員は融資額の大きい大手取引先を常に探しています。
中小企業の融資は大手と比較して融資額は小さいものとなり、銀行員の成績につながらないため、どうしても消極的になりがちです。
②融資額が小さいからといって融資審査が緩くなるわけではない
大手金融機関の場合、融資額が1,000万円でも1億円でも融資審査に係る手間はそれほど変わりません。ですので、融資額の大きな案件を優先する傾向にあります。
メガバンクには支店撤退リスクがある
メガバンクは全国に支店・店舗を構えていますが、支店の業績が悪い場合には撤退する場合があります。ですので、それまで付き合いのあった支店長や担当者とのつながりが切れてしまう可能性があります。
一方で、地域金融機関は地域に密着した金融機関であるため、支店撤退リスクは低いと言えます。
いざというときに頼りになる地域金融機関
上記のような理由で、メガバンクは中小企業への融資に対しては消極的です。また、メガバンクと付き合いがあると信用力が得られると昔では言われていましたが、今ではそのような意識も薄れてきています。
一方、地域金融機関は資金量に制限があり多額の融資はできないため、中小企業への融資に積極的でかつ親身に対応してくれる可能性が高いといえます。また、景気の悪化等で会社の業績が悪くなった場合にも、地域にとって大事な会社を支えるべく動いてくれるのが地域金融機関です。このように、いざというときに頼りになるのが地域金融機関ですので、できれば地域金融機関をメインバンクにしておくことをおすすめいたします。
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